島田荘司『ゴーグル男の怪』読みました。
御手洗の登場しない島荘。
ある夜、煙草屋のお婆さんが殺された。近くでは、ゴーグルを付けた男が目撃された。ゴーグルの中は真っ赤で、それは単に赤いゴーグルをつけているというよりは、まるで皮膚がただれて中の筋肉が露出しているような赤だったという。現場には、黄色く塗った5千円札、散乱した50本の煙草など不思議なものが。
ゴーグル男は誰なのか、現場の状況は何を示すのか・・。
※以下ネタバレ
煙草屋の事件が起こって、刑事がやってきて、さあこの後どう展開されていくのかと思って読み進めていくと、急に少年がおじさんに犯されるシーンへ。なんでだ。
さらに読み進めていくと、ははあこの少年がのちのゴーグル男なんだな、ゴーグルは性癖(臨界事故で爛れたのもある。)、煙草はおじさんの臭い、5千円札は(なぜ黄色く塗ったのかは置いておいて)、千円札を探し続けたことと何か繋がりがあるのだろう。よしこいつがお婆さんを殺した犯人だな。終了!
と思ったら、今度は第2の事件?が起こる。
光子の詐欺を咎めに行った須藤に、ゴーグル男が体当たりをして骨折させる。なんでゴーグル男は、この女性(光子)を守ったのだろう。
そうか光子はゴーグル男の妹だ!少年編で彼らの名前については語られていない。妹だから助けた。妹が「彼氏が出来たから引っ越す」みたいなことを言っていたのと、光子が婚約者や棗田やら男どもに囲まれているのも一致する。
やっぱりあの少年がゴーグル男だ!
そうであるならば、母は棗田に抱かれ、少年は棗田に犯され、そして妹も棗田の手に。一人で一家を犯す男。なんて恐ろしい!そういう話か!なるほど!
と予想していたけど全然違いました。
結局2つの事件のゴーグル男は、犯人である光子のストーカーで、最初のゴーグル男とは別人、彼が悉く現場に現れたのは彼女を追っかけていたから、ということでした。
そして、光子は第3の事件(棗田殺害)時にゴーグル「男」に変装。最初のゴーグル男と邂逅を果たす。そして二人ともが何故か救われたような気持ちになってハッピーエンド?で物語は終わる。
んー、どうしてもトンデモ展開を勝手読みしてしまう傾向があって、今回は普通に、捜査している刑事たちの考えたことが真実だったので、ああ普通にそれでいいんだ、と勝手に逆に騙されてしまった感じがある。
私はグロ描写とか医療描写が全く駄目(性描写も?)なので、一部飛ばし読みしてしまったのも悔やまれ今は反省している。
お気に入り度★★★★★☆☆☆☆☆
感覚的にはこのくらいだけど、↑の書きぶりから、結構楽しんで読んでたんだなあと思った。この著者の登場人物のセリフって「なに!?」みたいな素っ頓狂なものが結構あって、それが割と好きで、自分でも記事内でついエクスクラメーションマークを多様したたくなってしまう。