今村昌弘『屍人荘の殺人』読みました。
やたら宣伝されていたので(鮎川哲也賞&このミス1位&本格1位?)読んでみました。
この、私は新本格ですよと言わんばかりのタイトル!
どっちにしても購入していたかもしれません。
大学のミステリ愛好会に所属する葉村と明智が、探偵として有名な同大学の剣崎さんとともに、映画研究部の夏合宿にお邪魔したところ、とんでもない事態が起こってペンションに閉じ込められ、その中でひとりまたひとりと人が殺されていく・・。
「とんでもない事態」を除いて、新本格の形式に則った?かたちで進行していくので好きなかたはぜひ。
※以下ネタバレも含む。
それにしてもなんだこのクローズドサークルの作り方は!!
新本格と思ったらSFだったのか・・、と思ったけど通信技術もなんでも揃うこの時代で、閉鎖空間を作るにはこのぐらいしないといけないのかも知れない。
それにしてもゾンビて・・。
そして明智の突然の死。メイン探偵みたいな名前しておいてこれはずるい。
でも主人公が殺人犯、主人公が被害者って常に頭の中をよぎるネタなので、そう・・ってなってしまうのが辛いところ。本当慣れって勿体無いですよね・・。
で、肝心の?殺人事件のほうですが、
1つめの殺人については、これはわかった。風呂場にでも居るのかなーと思ってたけど、毛布の血の跡を見てからは確信に。
2つめは、正直ここまでする必要あったか?と思った。いくら皆眠っているからと言って、そんなに行ったり来たりするのはリスキーなのではないかな。それでもこの方法を取るんだから、よっぽどの恨みだったのだろう。
3つめは、よくこんなことその場で思いついたなあという感じ。恐ろしい。
一番好きだったシーンは、二人が同時に部屋を出てきて顔をあわせたところですね。あそこは疑問も無く通過してしまったので驚いた。でも読み返すと、葉村側の後ろめたさについては伏線があったんですよね。震災云々のところや、廃墟で重元が手帳を拾得したときの反応など。こういう細かいのは好き。
あとはもう全然関係ありませんが、比留子さんかわいい。なんかぴょこぴょこしてそう。比留子さんみたいな話し方の女性キャラ好きです。ダンまちのヘスティアとか、みでしの小紅とか、シュタゲのクリスとか?んーなんとも表現しにくい。
これがシリーズ化して比留子さんが探偵として活躍するのが楽しみ。でも続けば続くほど、彼女はその特異体質から未だ逃れられていないということになるのだけれど。
お気に入り度★★★★★☆☆☆☆☆
思ったよりはという感じ。