佐藤正午『永遠の1/2』読みました。
もう何十年も前のデビュー作らしいんですけど、小学館から新装版の文庫が出てたので買いました。
月の満ち欠け(著者の作品を初めて読んだけど面白い!)
→アンダーリポート・身の上話(読んだ時期が悪かったかあまり印象に残らなかった)
→鳩の撃退法(やっぱり面白い!)→永遠の1/2(今回)
ということでたぶん著者5作目の読書です。
自分にそっくりな人物がどうやらこの町にいるようで、その人物の代わりに殴られたり、追いかけられたりする話。
特にものすごい結末が最後に待ち構えているわけではないんだけれど、(それはもう何作か読んだからわかっている)、著者の作品の怒涛の会話劇(?)、独白劇(??)が面白くて堪らない。
ひとつのカギ括弧から始まって全く改行もせずに4ページ以上主人公に喋らせ続けてみたり、今度は喧騒の中での会話をカギ括弧だらけにしてみたり、女の声が全てカタカナ後にしか聴こえなくなったり、今度は急に舞台の台本のような書き方になったり(挙動や仕草の描写を全て括弧の中に任せてみたり)、
もっとあったと思うが、とにかく会話シーンがめちゃくちゃである(いい意味で)。これが流れるようにページを捲らせて、いつの間にか世界に引きずりこまれてしまっている。
鳩の撃退法の次に読んだので、一気に30年前の作品へ飛んだわけだけど、前後に書いた作品かな?と思ったくらい、僕が次もこういうものを読みたい!と思っていたものに合致していました。また時間が出来たら未読作を読んでいきたいと思います。
お気に入り度★★★★★★☆☆☆☆