島田荘司『屋上』読みました。
異色の盆栽「盆景」をつくる若手盆栽作家。
才能がありながらも評価されず、盆栽に囲まれて自殺してしまう。
彼が熱烈なファンであった女優が、彼の死後盆栽を引き取ったが、その後病気になり精神も病んで同じように自殺してしまう。
さらにその盆栽を引きとろうとした地方の映画博物館の館長も急逝。
最終的に女優の邸宅を抵当にしていたU銀行の屋上に、その曰くつきの盆栽達は並べられることとなった。
そして事件は起こる。物語のほとんどはU銀行の係長視点で進んでいくのだが、彼の部下の女性がある日屋上に盆栽の水やりに行くと、まもなく彼女は屋上から転落して死んでしまう。トムクルーズ似の男性と結婚間近で自殺しようもなかったのに。そして立て続けに他の部下2人も同じような死を遂げてしまう。
警察は自殺扱いで片づけるし、係長は盆栽の呪いだ!とかいって塞いでしまう。
当事者達の誰一人として真相がつかめない中、御手洗が登場する・・。
割とトンデモな内容なので好みがあると思う。
話が面白いので、ちょっとコミカルな感じでもOKな人はどうぞ。
※以下ネタバレあり
実は読む前に、どこかで「これはバカミスだww」みたいな感想を見てしまっていた。
確かにすごい仕掛けではあった。でも1個簀の子がシーソーみたいになっている、と序盤で言われた時点で、ああ、という感じはしました。しませんでしたか?
けれどもまあ、サンタは流されるまま強盗しちゃうし、銀行員達はそれに合わせてお金をちょろまかしちゃうし、隣のレストランの店員はドンペリ、ラーメン屋の親父と葬儀屋はロールス・ロイス。
それぞれの個人の欲望から来るちょっとした秘密がグチャグチャになって事件を複雑にする(ヒントになることもあるが)。こういうカオスは嫌いではないです。
お気に入り度★★★★★☆☆☆☆☆
まあでもちょっとやっぱりハチャメチャすぎた。