七河迦南『七つの海を照らす星』読みました。
アルバトロスは羽ばたかない、を読むために購入。
田舎の児童養護施設・七海学園で働く北沢春菜が、児相の男性職員である海王さんの助けを借りつつ学園の七不思議を解いていく話。
1話 前の施設で仲のよかった先輩が、死んだはずの日に、自分を助けに来てくれた話
2話 空き家で発見された、戸籍の無い女の子の話
3話 土日には遊びに連れてくれる父親が、本当は自分を嫌いなのではと不安になる話
4話 夏の長期キャンプのときに出会ってすぐ消えてしまった女の子の話
5話 児童養護施設の児童は恋愛をしてはいけないのかという話
6話 トンネルに6人で入ると、7人目の女の子が話かけてくる話
7話 ?????
七不思議の話ということで微妙そうとそっ閉じすることなかれ、それぞれの話は、七海学園に入所している子供たちのそれぞれが抱える悩みに向き合っているうちに謎に触れていくという感じの話です。トリックどうこうというよりは、起こった事実について納得のできる真実を見つけだす話?
読んで思ったのが、伏線が多いこと多いこと。1話数十ページの中に、十個以上の伏線が本当にサラッとちりばめてある。1話から早速そのテクニックが味わえます。
私は勿体無いことに、短編が苦手なので、5話あたりから萎えはじめてしまいましたが、7話で衝撃の事実!!そしてその伏線は1話~6話に!?
最後の話を読むために、ちゃんと最初からじっくり読んでください。表紙からちゃんと読んでください。おすすめです。
冒頭触れた、この作品の続きにあたる「アルバトロスは羽ばたかない」も良作とのことでこれから読みます。
※※※※※以下ネタバレ編、注意
本当途中から適当に読み始めてしまったのが悔やまれる・・。
でも7話はすごかった。
はっきり言って、あーこれ1話~6話で裏に女の子が1人いるわ、っていうのは気付いていたのですが、まさか!目の前にいるあなただったとは!!
そして、トドメに
この一件を、フィクションとして本に出来たらいいな、そんな機会があったら、ペンネームはローマ字回文にしたいな
あああああああああああああああああああああ
ぎゃあああああああああああああああああああ
本当に最高でした。それにしても作中何度も登場していたけどよくポンポンと回文が作れるなあすごい。
で、7話でこの事実を突きつけられると、4話の結論も変わってくるわけですが、4話の冒頭。
佳音ちゃんがカフェ「マリーナ」のドアを開けて入ってきたのと、俊樹たちが席を立ったのがほぼ同時だった。通路ですれ違う時ちょっと振り向いた俊樹を、例によって美香がせかしながらレジに向かっている。
通路ですれ違う時ちょっと振り向いた。
なんで俊樹は振り返ったんでしょうかねえ・・。
はぁ最高。
お気に入り度 ★★★★★★☆☆☆☆
短編が苦手だから少し減らしただけ。