瀬那和章『雪には雪のなりたい白さがある』読みました。
創元推理の新刊ということで。短編集は読まないのですが気づかなかったw。
1話 都会に憧れて上京してきた大学生が、理想とのギャップに悩んでいたら、公園でとあるおじいさんに出会う話
2話 離婚した妻に、子どもの成長した姿を見せるために(子どもにはお母さんだとは紹介しないが)、昔よく2人で行っていた公園で会う話
3話 放課後によく通っていた公園で、その人と出会って、何気ない会話の中で救ったり救われたりしていた中学生の話
4話 学生のころ親の転勤をきっかけに別れた彼氏のことが忘れられないで思い出の地元の公園に行ったら思いがけず彼の現況を知る話
5話 4話の元彼視点。
好きだったのは3話。
クラスメートに、他人に、興味が持てずいつも一人で居て、これでいいのかという不安を抱えた中学生。
公園で出会ったその歌手は「孤独でいろ」と呪いをかけて彼を救った。
数年後、中学生は高校生になって、またその公園で見かけた彼女(歌手)は涙を流していた。
今度は自分が彼女を救うのだ、と思うがどうしても声がかけられず・・。
そこで彼は「秋の妖精」を名乗る少女と出会う。
事情を話すと、少女は背中を押してくれて、気になっていた歌手の彼女に思いを告げる。
めでたしめでたし。
と思ってそこで最後の6ページ。
3話が好きと言ったのは、このシーンがあるからでした。人って思いがけない形で、影響を与え与えられているものなんですね。
伏線回収的な要素もあって、すごく好きです。
ラブコメの波動を感じる。
ちなみにこの後、実際に石神井公園を歩いてきたのですが、メタセコイアとラクウショウの看板を発見しました。
こういうところから物語の着想を得るのですね。
お気に入り度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
第三話に限れば★★★★★★☆☆☆☆
ぐらい好きかもしれない。
※あくまで個人のお気に入り度です。